貸渡実績報告書とは?記入例・提出先・期限・効率的な作成方法を解説
レンタカー事業において避けて通れない業務のひとつが、貸渡実績報告書の作成・提出です。毎年の報告が義務付けられていますが、なかには何をどのように報告すればいいのか困っている方もいらっしゃるでしょう。
そこで本記事では、貸渡実績報告書の基本的な概要から記入例、提出方法、よくあるミスや注意点、効率的な作成方法まで、実務にまつわる情報を解説します。貸渡実績報告書に関して正しく運用する知識を身につけて、スムーズに報告作業を行いましょう。
貸渡実績報告書とは?

貸渡実績報告書は、レンタカー事業者が毎年提出することが必要な行政書類です。ここでは、報告書の基本的な概要や対象者、提出が義務付けられている理由などを解説します。
貸渡実績報告書の概要
貸渡実績報告書とは、レンタカー事業を営む者が毎年の事業実績を行政に報告するための書類です。集計期間の対象は4月1日から翌年3月31日までの1年間で、毎年5月末が提出期限となります。
報告書の目的は1年間の貸渡状況や売上、車両稼働実績などを整理し、行政機関に提出することです。書類自体の様式は比較的シンプルですが、正確な報告を行うためには集計元となるデータを日頃から適切に管理しておく必要があります。
年度末になって慌てて集計作業を始めるのではなく、日常業務の予約管理や貸渡記録を正確に行っておくことで、スムーズに報告書を作成することができます。
対象となる事業者
貸渡実績報告書の提出義務があるのは、自動車を有償で貸渡すレンタカー事業者すべてです。法人か個人事業主かは問われません。また、事業規模の大小にかかわらず提出義務が発生します。
例えば、保有車両が1台のみの小規模事業者であっても、レンタカー事業として届出を行っている以上、報告書の提出は必須です。「規模が小さいから提出しなくてもよい」ということはありませんので、必ず期限内に提出するようにしましょう。
提出が義務付けられている理由
貸渡実績報告書の提出が義務付けられているのには、いくつか重要な理由があります。
ひとつは、車両台数や稼働状況の報告による安全管理という位置づけです。レンタカー事業の健全な運営状況を行政が把握することは、利用者の安全確保にもつながります。
また、業界全体の実態把握や制度運用のための資料としても活用されています。個々の事業者から集められたデータは、レンタカー業界全体の動向分析や今後の施策立案の基礎資料となるのです。
参考:国土交通省 - 貸渡人を自動車の使用者として行う自家用自動車の貸渡し(レンタカー)の取り扱いについて
未提出や虚偽の記載した場合
貸渡実績報告書を提出しなかった場合や、虚偽の内容を記載した場合にはさまざまなリスクが生じます。
例えば、記入ミスがあると修正対応が必要になり、余計な手間が増えてしまいます。さらに、未提出や不正確な報告が発覚した場合は、行政指導や是正指示の対象となる可能性があります。
悪質な場合や継続的に問題が繰り返される場合には、事業継続に影響する恐れもあります。日頃から正確なデータ管理を心がけて期限内に適切な報告を行うことが、健全な事業運営の基盤になるでしょう。
貸渡実績報告書の記入例・用語の意味・注意点

貸渡実績報告書を正しく作成するには、様式の構成と各項目の意味を正確に理解することが不可欠です。ここでは、実際の記入例と報告書に登場する専門用語について詳しく紹介します。
記入例
貸渡実績報告書の記入にあたっては、年間データをまとめて転記する形式になっています。実際の様式をもとにどの数値がどこに入るかを確認しながら記入してください。
記入作業を正確に行うためには、日々の予約や貸渡記録が正確であることが前提となります。日常業務の段階でデータに誤りがあると、報告書にもその誤りが反映されてしまうため注意が必要です。
下記の記入例を見ながら、分からない箇所は後述する用語を確認して記入してください。
<貸渡実績報告書の記入例>

記載項目と用語の意味
貸渡実績報告書にはいくつかの専門的な項目があり、それぞれ正確な理解が求められます。以下、主要な項目について説明します。
●運輸支局
運輸支局とは、事業所を管轄する提出先の行政機関を指します。事業所の所在地によって管轄する運輸支局が異なるため、自社の事業所がどの運輸支局の管轄下にあるのかを事前に確認しておきましょう。
特に複数の都道府県にまたがって事業を行っている業者は、集計に注意が必要です。
●事業所数
事業所数は、レンタカー事業として届出している拠点の数を記載します。
運輸支局ごとの集計のため、複数の事業所を展開している場合は、それぞれの運輸支局の管轄内の事業所数を記載します。
●区分ごとの車両数
車種や用途区分ごとに保有・使用している車両数を記載する項目です。区分の解釈を誤ると数値が合わなくなるため、正確な分類を心がけましょう。3月31日時点で保持している車両数を記入します。
なお、令和3年度まではそれぞれの区分に軽自動車の欄がありましたが、令和4年度以降は不要になっているので、最新の様式に従って記入してください。
●延貸渡回数
延貸渡回数とは、1年間(4/1〜3/31)に実際に貸渡した回数の合計を指します。同一車両でも貸渡しごとにカウントが必要です。例えば、1台の車両が年間100回貸し出された場合は、延貸渡回数は100回となります。
●延貸渡日車数
延貸渡日車数は貸渡した日数を車両単位で積み上げた数値のことです。この指標は稼働率の把握するためなどに使われます。例えば、A車を3日間、B車を2日間貸し出した場合、延貸渡日車数は5日となります。
●延走行キロ
延走行キロは貸渡中に走行した距離の合計を指します。この項目を正確に記載するには、日常的に走行距離を正確に管理することが重要です。
注意すべき点として、年度をまたいで貸渡しを行うときは、当年度分と次年度分に分けて集計する必要があります。3月31日に貸し出して4月1日に返却された場合、3月分と4月分を按分するなどの対応が必要です。
●総貸渡料金
総貸渡料金は、貸渡しによって得た料金の合計額です。売上管理データとの整合性が求められるため、経理データと照合しながら記入することをおすすめします。
この総貸渡料金も延走行キロと同様、年度をまたいで貸渡しを行うときは当年度分と次年度分に分けて集計する必要があります。
よくある記入ミスや注意点
貸渡実績報告書の作成は、以下の記入ミスに注意してください。
- 区分の解釈違いによる車両数のズレ
- 総貸渡料金と売上データが一致しない
- 実績ゼロの場合の記載漏れ など
特に貸渡しの実績がない場合、記載しないまま提出して良いというわけではなく、ゼロであることを明記する必要があります。記載漏れと判断されないよう注意してください。
また、最新の様式としては令和4年度以降のものが採用されています。各々の区分に軽自動車の欄がないものが最新ですので、様式についても気をつけましょう。※令和7年12月執筆時点
提出先と提出期限

ここでは、貸渡実績報告書の提出先と期限について解説します。
管轄の運輸支局(陸運局)
貸渡実績報告書は、事業所所在地を管轄する運輸支局に提出します。提出方法は支局に持参、郵送、FAXまたはメールから選択可能です。メールで提出する場合は、エクセル形式で提出する必要があります。
国土交通省または管轄の運輸支局のホームページで、エクセルまたはPDFのデータ様式をダウンロード可能です。
以下の画像に示す「エクセルデータ」または「PDFデータ」をクリックしてダウンロードできます。

注意点として、事業所(拠点)のある各運輸支局に提出が必要となります。複数の都道府県に拠点がある場合は、それぞれの管轄運輸支局への提出漏れがないよう、取りまとめに注意してください。
提出期限は毎年5月31日まで
貸渡実績報告書の提出期限は、原則として毎年5月31日です。土日祝日の扱いについては、管轄の運輸支局によって対応が異なる場合があるので、事前に確認しておくことをおすすめします。
また、期限直前は窓口が混雑しやすい傾向にあります。余裕を持って準備を進めて早めに提出しましょう。
貸渡実績報告書を効率よく作成するための方法

貸渡実績報告書の作成負担を軽減するには、日常業務の段階から工夫することが重要です。ここでは、効率的な作成方法について解説します。
最も重要なのは、予約・貸渡データを日々整理しておくことです。年度末になって1年分のデータを一気に集計しようとすると、膨大な時間がかかることに加え、ミスも発生しやすくなります。そのため、年に一度まとめて作るのではなく、週次や月次で確認する仕組みを整えてください。毎月データを確認しておけば、年度末の作業を軽減することが可能です。
効率よく正確に報告するには、人の手に頼らず集計作業を行う方が良いでしょう。手作業での集計はミスが発生しやすく、担当者の負担も大きくなります。報告書作成の負担や手間を減らしたい場合、貸渡実績報告書などが自動で生成される予約管理システムの活用がおすすめです。
レンタカー侍なら、1年間の予約情報や車輌情報を自動集計できるので、煩雑な業務から解放されます。その他にも「事務所別車種別配置車輌数一覧表」や「貸渡証」などの作成も可能です。
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まとめ | 貸渡実績報告書を正しく理解し事業運営に活かすために
以上、貸渡実績報告書の作成や提出について解説しました。正確な報告を行うためには、日常業務と報告書作成を切り離さず、継続的な管理を行うことが重要となります。
毎年、手作業で集計作業を行うのは負担がかかって大変です。管理システムなどを利用して自動で作成すれば、時間やコストを大きく削減できるだけでなく、ミスのリスクも減ります。
レンタカー業務特化型の予約管理システム「レンタカー侍」では、報告書作成をはじめとする日常業務を効率化することが可能です。現場スタッフの負担軽減や、本来注力すべき事業運営に集中できる環境を整えることができます。
日々の予約業務やデータ集計にお困りの方はお気軽にご相談ください。

